石田衣良ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」に掲載された、過去の記事よりQ&Aをご紹介!石田衣良の回答もご覧頂けます。
▼Q▼
21歳女性です。現在同じ年の彼と都内で同棲をしているのですが、実は彼には、地元に2年間お付き合いしている彼女がいます。彼女と別れるから一緒に居て欲しいと言われて早1年が経過し、半年前から同棲を始めましたが、まだ彼は地元の彼女と別れてくれません。このままの状態が続くのはとても負担なのですが……。惚れた弱みで、私から別れを告げることは出来ません。どんな言葉をかければ、彼は私だけを見てくれるのでしょうか。
【A】
これは、言葉でなんとか解決しようと思っているからダメなんですよね。やっぱり恋愛も仕事もそうですけれど、大事なのはアクションだと思います。あなたは今、彼と同棲していますよね。だったら「地元の彼女の問題にケリがつくまで、一緒に暮らせない」と言って、彼の元を離れてみたらどうですか。そうすると彼もあやふやなことはできないし、真剣になりますから。「もしあなたができないのであれば、私が電話をして彼女と直接話す」と言ってもいいと思います。男の人はだいたい優柔不断なので、追い込まれないと、自分が損をするアクションには出られないんですよ。だって、地元に帰ったら昔なじみのかわいい彼女がいて、東京には同棲している彼女がいるというのは、彼にとっては夢の遠距離ハーレムなので(笑)。そこはやっぱり相手にいい思いばっかりさせてはいけないじゃないですか。
この場合は、あなたがアクションを起こせば勝てます。なぜならあなたは、彼にとっては「目の前にぶら下がっているおいしい肉」だからです。地元には、夏休みなどの長い休みのとき以外は帰れないじゃないですか。そしたら、手近にいて普段食べているおいしいごはんのほうが強い(笑)。この距離の差を利用して恋愛の勝者になってもらいたいですね。それには1週間でも2週間でもいいから、友達の家や実家に行って、彼の頭を冷やさせたらどうですか。ハーレムは永遠には続かないし、「私とつきあうなら、そういう甘いことは許せないんだけど」と言ったほうがいいと思います。
はっきり言って、その彼もまだ若くてたいして女性経験がないんじゃないですか。あなたもたぶんあまり男性経験がなくて、「初めての相手なので、素晴らしい人なんだ」と思っているかもしれないけれど、まだしょっぱい程度の同棲です。もっといい男もいるし、それでもグズグズするようだったら彼のことは切っちゃってもいいと思います。恋愛の可能性はまだまだ無限に広がっているので、諦めずに攻めてほしいですね。
でも、この彼もやっぱりまだ若いよね。これが大人だったら「地元に彼女がいる」なんて最初から一言も言いません。アホだから、「自分はモテる」っていうふりをしたいんだよね。若い子って同世代の子とつきあうと、必ず背伸びをして「自分のほうが上だ」と恋人同士で競い合うじゃないですか。年をとると必ず相手を勝たせてあげることができるようになるんですけど。
まっ、ぼくの場合は、最初から女の子には負けるようにしていましたけどね(笑)。
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