▼Q▼片付けが苦手です…どうしたらいいでしょうか。　─　恋と仕事と社会のQ&Aより

石田衣良ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」に掲載された、過去の記事よりＱ＆Ａをご紹介！石田衣良の回答もご覧頂けます。

▼Q▼
昔から片付けるのが苦手で、部屋はもちろんパソコンのデスクトップも片付けられません（苦笑）。書店に並ぶいろいろな「片付け本」のテクニックも試しましたが、どれも三日坊主……こんなぼく、どうしたらいいでしょうか？

【A】

こういうときって、雑多に物が散らかっていても「あのときの書類はこのへんにある」ということはわかっているじゃないですか。ようはきれいに片付けられると見た目が美しいというだけで、片付けられない人はカオス的な整理をしているんですよね。ぼくは無理やり「片付けられる人」にならなくてもいいと思うんだけどなあ。ぼくも机まわりがひどいんですよね（笑）。こういう場合の問題点は、パーフェクトに片付けられる人と、片付けられない人の中間がないことです。なので、こうしましょう。ダンボールを２個くらい用意して、すぐに対応しなきゃいけないものと、そうでもないどうでもいいもの２つにわけてください。どうでもいいものをつぎからつぎへと捨てていけば必要なものだけ残りますよね。で、そうでもないほうの箱を月に1回全部捨てて空にする。それだけでぐっと中間的な整理が進みます。人間の本当にいけないところは、白か黒か、できるかできないかで、すぐあきらめたり調子にのったりするところです。その中間でいいんですよ。グレーでも、自分なりの片付け感を得られればいいので。片付けの本はあんまり信用しないほうがいいよ。気持ちはわかるけど、書き手の人生は片付いていなかったりすることが多いから。部屋を片付けるように、人生は楽には片付かないからね。