石田衣良ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」に掲載された、過去の記事よりQ&Aをご紹介!石田衣良の回答もご覧頂けます。
▼Q▼
私は主人と6年前に結婚し、ふたりの可愛い子供ももうけました。主人はとても子煩悩で、給与がいいとはいえませんがまじめに仕事もしてくれています。ただ酒乱で、今までに2回ほど両親を介して離婚の話になりました。私たちに手をあげるわけではないのですが、子供のまえで第三者に対して些細なことで怒鳴りつけたり、物に当たったりします。その度に主人は反省をして、改心すると約束をしました。今は酒を飲まないよう努力はしていますが、また同じこわい思いをする日がくるのではとヒヤヒヤしています。それだけならまだしも、主人には浮気の疑いもあります。女の勘で間違いないと思っています。浮気の証拠をいかに掴んで、離婚の決め手にすればよいか悩んでいます。浮気の証拠さえ掴めば別れる決心はできています。
【A】
うーん、あなたは本当に勘違いしていますね。離婚というのは証拠がなくてもできるんですよ。この旦那さんからは、仮に証拠があって法的にあれこれやったとしてもお金を取れないですよね。だとしたら性格の不一致、あるいは「もう彼のことを愛していない」ということだけで離婚の決定的な理由になります。もうここまでいってしまったら止まらないので、別れてしまったほうがいいと思いますね。彼から養育費はもらわないといけませんが、それで好きにさせたらいいじゃないということですね。この男に関してはあなたがいうほどいい男ではないので、とっとと別れて、若いんだったらやりなおしたほうがいいんじゃないですかね。彼を警察に訴えて有罪にしなければ離婚できないというものではないですから。本当に「もう愛していないから別れたい」といって子どもを連れて家を出てしまえばそれでいいと思いますよ。
ただ、ちょっと心配なのは経済的な問題ですよね。あなたに十分な経済力があるのか、あるいは親の助けが得られるのか、彼の両親から援助を引きだせるのか。離婚をするのはもちろん構わないんですけど、子どもたちのことが心配なので、そのあたりに関してはきちんと考えて、ちゃんと根まわしをしたうえで離婚をすること。そしたら最初から弁護士に頼んで「向こうはこういう理由で離婚したいといっている。ついては直接話をしないので、交渉を始めよう」といわせればいいんじゃないですかね。浮気の証拠なんか必要ないです。そんなことをあなたが証明しなければ離婚できないなんていう法律はないので、もっと自由にしていいんですよ。
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