booktalk-2

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ビックリ箱みたいなイギリスのEU離脱。
初めての救急車搬送の夏を振り返る短篇。
今回はけっこう熱いブックトークになりました!

石田衣良

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石田衣良ブックトーク 『小説家と過ごす日曜日』
第25号を配信しました。

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今週の目次
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00 PICK UP「老後の意味」
01 ショートショート「選考会の夜に」
02 イラとマコトのダブルA面エッセイ〈25〉
03 “しくじり美女”たちのためになる夜話
04 IRA’S ワイドショーたっぷりコメンテーター
05 恋と仕事と社会のQ&A
06 IRA’S ブックレビュー
07 編集後記
今回は「衣良とマコトのダブルA面エッセイ」の中から冒頭をちらりとご紹介。

石田衣良とご存知『池袋ウエストゲートパーク』の主人公マコトが、 考えたこと、感じたことを、誠実に自己検閲なしで語っています。

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02 イラとマコトのダブルA面エッセイ〈25〉
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◇セイ・グッドバイ・トゥ・ヨーロッパ   石田衣良

晴天の霹靂だった。

時間的なずれもあって、本来このエッセイではイギリスのEU離脱について書く予定はなかったのだ。直前の世論調査でも、EU残留派がわずかに離脱派をリードしているという結果で、残留派のジョー・コックス下院議員の暗殺も離脱派にはマイナスのはずだった。

それが離脱52パーセント、残留48パーセントという僅差で、イギリスのEU離脱が決定してしまった。

ぼくは昨日の夜からずっとBBCとCNNを交互に見ながら、国民投票のゆくえを観察していた。離脱すれば経済的に巨大なマイナスなのは、誰もがわかっている。例えばロンドンのシティにある金融ビジネスは、ブリュッセルやフランクフルトに移転するだろう。日本の自動車会社の工場(給料の高いいい職場だ)はEU内の他の国に移っていかざるを得ないだろう。現在0パーセントの関税が、10パーセントかかるようになるからだ。200万円の自動車が性能はそのままで220万円になる。とても輸出などできる事態ではない。

この結果を受けて、ポンドは対ドルで暴落している。前回の通貨危機のときよりひどい急落だ。東京の株式市場は8パーセント近い下げで、円は一時99円台に高騰。日本のこの夏の景気はもう完全な赤信号で、みんなのボーナスも期待できなくなった。

今はまだヨーロッパとアメリカの市場は開いていないけれど、現時点で韓国はマイナス3.3パーセント、香港はマイナス4.6パーセント、インドはマイナス3.6パーセントだ。世界中の市場が恐怖に震えあがったのである。

離脱支持派は白人の労働者階級で、EU統合の果実を受けていない人が多いという。専門的な技能がないので、ひとつの仕事をめぐって東欧からの移民と奪いあいになる。またそういう人は自国への愛情が深くプライドが高いので、EUに残りドイツのいいなりになるのが気にくわなかったのだろう。もちろん彼らだって馬鹿ではないから、経済的には巨大な打撃となるのは理解していたはずだ。

それでも離脱と独立を選んだのはなぜか?

ここにぼくは人間性の暗い部分を見てしまう。どうせ自分たちには豊かさは回ってこない。ならば、より豊かなイギリスの上半分もこちら同様、貧しくなればいい・・・続きはブックトーク第25号で……)

 

◆年寄りが決める若者の未来   真島マコト

おれたちの誇りは、なぜ最後は国だの民族だのという昔ながらの看板に頼るようになってしまうのだろう。

自分の国や民族しか誇るものがなくなる。

それはほかのすべてを奪われた人間の最後の手段だ。

イギリスのEU離脱については確かなことはわからない。

だけど離脱派のスローガンが「英国に独立をとり戻せ」だったとはきいている。

きっと時代は経済から、おれたちが気づかぬうちに政治へ移っていたのだろう・・・続きはブックトーク第25号で……)

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毎回、驚きの質問が飛び交う「恋と仕事と社会のQ&A」コーナー。

今回の質問を駆け足でご紹介します。(抜粋でごめんなさい!)

  • ▼PickUp▼最近は子どもを作らずに夫婦だけで過ごすという方も多いようです。でも、それって老後に相手に先立たれたら、さみしいような気がします。いや、人間誰しも、老いたら寂しく過ごすものでしょうか。そうだとしたら、この先に希望もなく試練しか……
  • ▼Q.1▼19歳の女子大生です。人を好きになるとき、どうしても相手の見た目で選んでしまいます。イケメンかどうかだけで判断してしまうので、付き合い始めても性格が合わなかったり、他にいい人がいるとすぐ冷めてしまったりします。やっぱり見た目で判断……
  • ▼Q.2▼21歳女性です。デート中、彼が女性をじっと見つめることがあり、その度にとても嫌な気持ちになります。原因を聞くと「無意識で覚えていない」と言われます。そんな彼ってどう思いますか?
  • ▼Q.3▼外資の翻訳会社に勤務し、マネージャーをしています。新しく翻訳をやりたいという人を面接するのですが、その時に文章力を見抜くのがすごく大変です。「いいかな?」と思って雇うと、やっぱり「てにをは」が間違っているみたいなことがあったりする……
  • ▼Q.4▼大学で日本文学を専攻しています。現代文学を専門に勉強していて、今3年生なので、そろそろ卒業論文の題材を考えている段階です。私は子どもの頃からずっと、石田先生の『4TEEN』から始まって、『池袋ウエストゲートパーク』などの作品を読ん……
  • ▼Q.5▼30代の女性です。初めての子育てで悪戦苦闘中です。でも夫は残業ばかりでちっとも帰ってきません。両親も他界しているから、主人だけが頼りなのに……。「そんなに仕事が大事か!」と罵ると、「家族のために稼いでいるんだろ! 早く帰ったら干さ……
  • ▼Q.6▼アルバイト先に好きな子がいます。その子には彼氏がいます。バイト帰りに一緒に帰ったり、たまにお茶したりしています。彼との関係を聞いても「うまくいってるよ」とのこと。もしぼくに気があったら彼とうまくいっていないとか言ってくれるかなと思……
  • ▼Q.7▼友人に軽々しく「給料いくら?」とか「ボーナスいくらだった?」と聞く子がいます。仲いいわけではない彼女にそんなこと答えたくありません。そんなにもらってないよ、とはぐらかしても、「いくらくらい?」とさらに突っ込んできます。でも私は彼女……
  • ▼Q.8▼高校生の息子に彼女ができたのですが、夜遅くまで連れ歩いています。私は注意しているのですが、相手の親御さんは全く気にしていないようです。彼女がもっと遊びたいと言っているようです。娘が夜遅く帰ったり外泊したりするのに寛容なご両親のよう……

さてさて、石田衣良の回答は?

続きはブックトーク本編でお楽しみ下さい。

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